Onepairの秋原です。
先日、ChatGPTを活用した新機能「AIキャリアパートナー β版」をリリースしました。面接練習やキャリアの相談など、AIといつでもキャリアに関する対話ができる新機能です。無料で使えるので、ぜひ試していただけると嬉しいです。
早送りしてGIF画像にしています。音声対話型でやりとりできるようにしました。
ChatGPT関連では、先月にも「AI自己紹介レビュー」機能をリリースしています。職務経歴書や各種SNSプロフィールに使う自己紹介文に対して、AIがフィードバックする機能です。企業の面接担当者の立場から、表現の修正やどんなポイントを深堀りすべきかを教えてくれます。(「AI自己紹介レビュー」はプロフィール登録後、マイページ編集にて利用できます)
Onepairは、今後もますますAIを活用し、プロダクトをアップデートしていきたいと思ってます。ワクワクです。
さて、今回のショート記事では、「AIキャリアパートナー」リリースの背景について書きたいと思います。ChatGPTを事業価値向上につなげられないかと考えた結果でもありますが、他にもキャリア領域に関する問題意識がありました。
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ChatGPTの登場により、さまざまな分野でAIの活用が進み、仕事や働き方にも大きな変化が起こると話題になっています。
雇用全般に関しては、AIの進化とその社会への浸透スピード、それに伴う規制など、不確定要素が多いので、遠い未来についての予測は難しいですが、足元でみると、AIを活用しても個々の能力には限界がある。そのため、チームを組成する必要があり、雇用は続いていきます。
ただ、業務効率が向上し、少人数でより大きな価値を作り出せるようになるため、組織は小規模化していくと思っています。そのため、一括大量採用ではなく個別採用、相性やカルチャーに重点を置いたマッチングにシフトしていくのではないでしょうか。
今回リリースした「AIキャリアパートナー β版」は、そうした雇用市場における業務効率化の一つになっていくものだと考えています。
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キャリアの相談は誰にすべきか
話は変わりますが、先日、知人がキャリアについて相談できる相手がいないことに悩んでいました。はたから見ると順風満帆なキャリアを歩んでいるように見える人でも、悩みを抱えるのだと再認識しました。
話を聞くと、独立も視野に入れつつ、足元では転職を考えているようでしたが、身近な同僚は、まだまだ会社に残って頑張っていこうと考えていて、そうした思いに水を差すわけにいかない。そのため気軽に相談ができず、かたや別業界の友人は、職務経験が異なるため、せっかく時間をもらって相談しても実りのある時間にしづらく悩ましいということでした。
私自身、Onepairの運営を行っていることもあり、このような相談を受ける機会が多くあります。そこで感じるのは、相手の業界や職務に一定の理解ができ、雇用市場にも明るい人が少ないということです。相手の状況に共感しながら、情報を整理し、キャリアに関する新たな視点を提供することは非常に難しいと感じています。
現在、このような課題の解決手段の一つとして、人材紹介(エージェント)があると思います。たしかに、キャリア情報に日々触れる専門家との対話は助けになります。
ただ、基本的に人材紹介のビジネスモデルは企業からの紹介料に依存しています。すべての人材紹介がそうでないにせよ、時間に対する人件費や組織としての利益を最大化するため、高い紹介料を提供する企業を優先して紹介してしまう構造になっています。
もちろん、双方のニーズやタイミングをマッチングし、紹介料を払える安定したビジネスを持つ会社を求職者に紹介することは価値があります。しかし、人材紹介のビジネスモデルが個人のキャリア選択にとってベストではない影響を与えることには問題意識を感じます。
また、最近は、雇用形態を柔軟にしたい人や、すぐに転職先を探しているわけではなく、現職でバリバリ働きながら新たなチャンスを探している人も増えています。こうしたトレンドは人材紹介のビジネスモデルと少しズレてしまう面もあり、エージェントにキャリア相談を頼るには限界がありそうです。
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キャリアの納得には適切な「問い」がもっと必要
キャリアコーチングもまた、解決策の一つです。自身のキャリアについて真剣に、かつ継続的に向き合ってくれる人はほとんどいないので、非常に価値ある存在です。それにコーチングは「答えを与える」のではなく、「問いを与えて回答を引き出す」というスタンスなので、キャリアを考えることと相性が良いと思います。
ただ、自身の状況に適したコーチを見つけることが難しいこと、キャリアコーチングはいわゆる労働集約型のビジネスであり、何か特別なマネタイズポイントを作らない限りは、コーチの稼働時間がそのまま費用になってしまうことが課題です。どのようにコーチを見つけ、どの程度の価格設定を一度のキャリアコーチングにするのが適切かは個々の判断に委ねられます。
そのような状況の中で、もっと身近に、より手軽に、いつでも寄り添ってくれるキャリアパートナーがいれば価値になるのではないか。そう考え、今回の「AIキャリアパートナー」の開発に至りました。さまざまな人格を持ったモードを用意したので、時々のニーズにあったAIに相談することができます。
今回のリリースでは、少し遊び心も入れながら、以下の4つのモードを用意しました。
・実際の面接を想定した「面接の練習」
・固定概念に縛られず自由なキャリア発想を促す「クリエイティブガイド」
・あえて厳しめな対応をする「高圧的な面接官」
・高い志を持つ「海援隊 隊長」
今後も、適宜モードの追加を検討しています。
また、AIのキャリアパートナーであれば、パーソナルな問題や聞きにくいことでも周りを気にせず聞くことができます。考えがまとまらず堂々巡りな状態になっても、嫌な顔ひとつせず、四六時中相談相手となってくれることも大きな利点です。
キャリアには正解がないので、自身の納得感が何より重要です。さまざまな角度からキャリアに向き合い、言語化する作業を重ねることで、その納得感は醸成されるのではないかと考えています。
そうした歩みのパートナーとして「AIキャリアパートナー」を利用してもらえると嬉しいです。機能としては駆け出しですが、今後も改善を重ねて体験価値を磨いていきます。
我々はまだまだ小さなチームですが、「人材の流動性を高めて、自己変容できる世の中を作る」という思いのもと、社会を少しでも良い方向に進められるよう一つずつ価値を作っていきます。
引き続きよろしくお願いします。