20代フラフラ生きていた僕が、35歳で取締役に。無気力状態のどん底から這い上がれた理由 株式会社ジェナ 五十嵐 智博 | 急成長企業を支援してきたマーケティング会社が厳選した急成長企業と出会える場所「LEAPLACE」 - LEAPLACE
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20代フラフラ生きていた僕が、35歳で取締役に。無気力状態のどん底から這い上がれた理由
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20代フラフラ生きていた僕が、35歳で取締役に。無気力状態のどん底から這い上がれた理由
株式会社ジェナ
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※株式会社ジェナは2021年3月より「HiTTO株式会社」に社名を変更しました。 AIチャットボット市場でシェアNo. 1を獲得した、株式会社ジェナの「hitTO(ヒット)」。数あるチャットボットの中でも、社内利用に特化したサービスでローンチ以来、爆発的成長を続けている。このサービスを統括しているのが、取締役COO AI ソリューション事業部 事業部長の五十嵐智博氏だ。実は五十嵐氏、20代の頃は職を転々とするも失敗し、ニートも経験したという。失業保険をもらいつつ、どん底まで落ちていた五十嵐氏はどのようにしてジェナの取締役になったのか。

目的もお金もない。フラフラ生きていた自分に終止符を打った 27 歳の決意

—— 五十嵐さんは現在ジェナの取締役ですが、20 代の頃は目標もなくフラフラしていた時期もあったと聞きました。当時はどんなことをしていたんですか?

僕が最初に入社したのは金融先物取引の営業でした。机に電話帳だけが置いてあり、とにかく電話をかけまくるか飛び込みに行くという昔よくあった営業スタイルです(笑)。だけど、あまり会社の利益が出ない上に、お客様が幸せになる姿を見る機会が少なかったこともあり、1年も経たないうちに退職してしまいました。

それからは、たまたま同時期に同じ会社を辞めた先輩と、部屋にこもって毎日デイトレードに明け暮れるように(笑)。もちろん仕事ではないのでニートみたいなものですよね。でも半年が過ぎ、さすがにこの生活を続けていたらまずいと思って、PR 系のイベント会社に就職しました。

しかし1年後、会社の業績が悪化して解散することになってしまったのです。

—— 踏んだり蹴ったりというか、運命に翻弄されていたんですね(笑)

いえ、完全に自己責任ですね。当時は**やりたいことや目標があって就職したわけでもなく、その場をしのぐことしか考えていなかった。**要は覚悟がなかったのだと思います。その結果、スキルは何も身についていないし、お金もない状態で放り出されてしまいました。

当時僕は 26 歳。大学の同級生の中には、マネージャーとして活躍したり、新規事業を立ち上げたり、仕事で活躍する人が出始めた頃です。一方の僕は失業保険をもらいながら無気力状態になり、人ともあまり会わなくなって「自分は何をしているんだろう、どんな人生を送りたいんだろう」と自問自答するように。

ときには、どん底から這い上がることを想像して気が遠くなり、考えることを諦めそうになったり、ネガティブ思考で塞ぎ込んだりすることもありましたね。

—— 何が転機になったのでしょうか?

27 歳になった辺りで、本気でなんとかしないとと思って、藁にもすがる思いで、色々な書籍や記事を読み漁るようになったことです。その過程で、現状はさておき自分に正直になってみようと。その結果、自分は仕事を楽しめる人間になりたい、趣味との境がないくらい仕事に熱中する人生を送りたいと思うようになりました。

そして、忘れもしない 2010 年の1月3日、そんな人生を送るために「30 代でベンチャー企業の経営チームの一員として仕事をする」という直近の目標が固まりました。

当時は、恥ずかしくてあまり口にはできませんでしたが、自分に正直になり人生の方向性が決まったことで意識が変わり、揉まれる環境、それもなるべく若い IT 企業に身を置こうと就職活動を始めました。

30 代でベンチャー企業の経営陣になるために。歩み始めたセカンドキャリア

—— 目標ができたことで、逆算思考で新たなキャリアを歩むことができたんですね。

そうです。拾ってもらえたのは、法人向けのセキュリティ製品を扱う 100 名規模の IT 企業。営業推進のポジションで入社しました。当時は何もできなかったし、「サーバーって何ですか?」という状態でしたが(笑)、30 代でベンチャーの経営陣として働きたいという目標だけは常にはっきりしていました。

だからこそ、目の前の仕事で 120%の成果を出すよう努力するのはもちろん、仕事を通じて業界や組織の仕組み、サービスを提供するためにどんな役割が必要なのかを俯瞰しながら学んだと思います。

会社づくりや経営に関する本は読んでいましたが、実際に動いている組織は全く違います。だから、会社が“A”という選択肢を取ったとき、なぜ“B”の選択肢を取らなかったのか、自分はこう思う。などの会話を、よく上司としていました。

今振り返れば、そうやっていろんな質問をすることや自己表現をすることで自然と視座が上がり、自分の人生が好転し始めたんだなと思います。目標となる上司ができたことも大きかった。

入社4年目になると、新規事業のマネージャーを任されることになりました。顧客開拓やサービス機能のブラッシュアップ、Web サイトのディレクションなど事業に関わることを泥臭く何でもやっていくなかで、初めて**「意思決定の重み」**と向き合ったんですね。

今までは自分が上司に確認や指示を仰ぐ立場だったのが、今度は自分が意思決定しないといけない。Yes/No を発した瞬間に全て確定する。この重みと向き合ったことで、1つ1つの仕事を考え抜くことの大切さを学びました。本気で事業を成長させたい、結果を出したいと、がむしゃらに取り組んだこの数年は今の自分に大きく繋がっています。

7年の修行を経て、35 歳で目標としていた取締役に就任

—— 前職で7年過ごした後、ジェナにジョインされました。きっかけは何だったのでしょうか?

担当しているサービスは愛着もやりがいもありましたが、目標から逆算すると、どこかのタイミングでもう少し小さな規模の会社でチャレンジしなければと考えていました。次の選択肢は、一度、SaaS 専門で展開するメガベンチャーで、組織や事業の仕組みを直接見るか、このまま 10〜20 名規模のベンチャーで挑戦するかの2択だと考え、いろんな人と話をするようになりました。

そんなとき、もともと付き合いのあったジェナ代表の手塚から、「これから面白いサービスを出す。その責任者を探している」という話を聞いたんですね。それがAI チャットボットサービス「hitTO(ヒット)」。聞いた瞬間に、自分がやったらどうなるだろうと、すぐに想像していました(笑)

手塚の人柄やサービス内容に魅力を感じたのはもちろん、当時のジェナは 20 名弱だったこともあり、事業だけでなく、自分の目標でもある経営に近い仕事にもチャレンジできると思って決意しました。34 歳のことです。

—— 取締役になったのは、それから1年後?

はい、2018 年5月、35 歳で取締役になりました。現在は COO として hitTO の事業責任者を任されています。

どん底だった 27 歳のときに掲げた目標は、様々なご縁のおかげで、8年の時を経て実現しました(笑)。もちろん、ここからが本番ではありますが、当時感じていた途方もない無力感は消え、自分の人生を生きている。という感覚を強く持てるようになりました。

社内利用に特化した AI チャットボット「hitTO」で、企業の生産性を高める

—— ジェナの AI チャットボット「hitTO」はローンチから約2年で、市場シェア1位を獲得しています。サービスを具体的に教えてもらえますか?

hitTO は社内向けの AI チャットボットです。「AI チャットボットをビジネスの最高の相棒に」をコンセプトとしており、EC サイトやカスタマーサポートではなく、「社内用」に特化していることが特長です。たとえば情報システム部に「このツールの使い方を教えて欲しい」や、総務に「請求書の雛形はどこ?」といった定期的に発生する質問がありますよね。

これらの質問を AI で自動化することで、問い合わせをする側も受ける側も、本来やるべき業務に時間を使えるようにして、企業全体の生産性向上を図ろうというもの。

特に大企業の場合、総務や情シス部への社員からの問い合わせが月に 1000 件を超えることもあり、チャットボットの社内利用ニーズはとても高いんですね。

そこで、hitTO は最初から社内利用だけに特化して展開。リリース当時は類似サービスも少なく、働き方改革の時流もあって、立ち上がりはとても早かったです。

—— 社内 wiki や社内 FAQ をチャットボットに置き換えたわけですね。

そうです。「忙しそうだけど声かけていいかな」と躊躇するときや、総務の問い合わせ対応時間を過ぎたときも、チャットボットなら遠慮なく聞けます。数千人規模の会社になると、社内 wiki があっても情報が膨大すぎて結局わからずに質問せざるを得ないケースはよくあるでしょう。AI チャットボットは「調べる」ではなく「聞く」という新しいユーザー体験で課題を解決できます。

また、総務人事や情報システムなどの管理者側にとっても、既存のシステムと違い、AI チャットボットは「育てる」という新しい感覚があります。実際、キャラクターを設定しながら、楽しそうに作りこんでくださる皆さまの姿を見て、「このサービスはいける」と確信しました。

ジェナはチームに当たり前のように AI チャットボットが「配属」される世界を目指しており、ゆくゆくは自分だけに最適化された、パーソナルボットなども視野に入れています。社内に点在したり、属人化しているナレッジが AI チャットボットに集約されていくイメージですね。

—— 詳しい人が人事異動で他部署に行ったとしても、チャットボットにナレッジが蓄積されていれば、属人的なノウハウも継承できるということですね。

そうです。人材の流動性が高まり、リモートやフレックスなど働き方も多様化する中で、ナレッジの標準化は大きな役割を担います。

今は大企業向けに提供していますが、今後は様々な利用シーンに対応し、中小ベンチャー企業も導入できるようなサービスにしていきたいと考えています。

ジェナは本当の意味で第二創業期。組織と事業を大きく伸ばしたい

—— 今後の目標や野望はありますか?

まずは、hitTO を中心に会社を大きく成長させていくことです。今、後発サービスが続々と誕生しているのですが、これは市場が確立され始めているサイン。hitTO は社内利用の AI チャットボット市場で先発サービスなので、このままずっと先頭を走り続けることで、市場を盛り上げていきたいです。

そして、ジェナは 2006 年に創業以来、アプリの受託開発を主軸に事業を展開していましたが、2018 年に自社サービスである hitTO に集中投資をして会社を成長させていくことに舵を切りました。 ビジョンも変更するなど、ジェナは今期を本気の第二創業期と位置づけています。既存メンバーはもちろん、今後ジョインするメンバー全員が第二創業期における創業メンバーです。これからの激動の数年間を振り返ったとき「あの時間が今の自分を作った」と全員が思えるような濃密な経験を一緒に積んでいきたいです。

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