掛け合わせのアイデアで創る未来。世界中が手探りのコネクテッドカー領域は、まるで「宝探し」だ 株式会社スマートドライブ 元垣内 広毅 | 急成長企業を支援してきたマーケティング会社が厳選した急成長企業と出会える場所「LEAPLACE」 - LEAPLACE
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掛け合わせのアイデアで創る未来。世界中が手探りのコネクテッドカー領域は、まるで「宝探し」だ
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掛け合わせのアイデアで創る未来。世界中が手探りのコネクテッドカー領域は、まるで「宝探し」だ
株式会社スマートドライブ
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「移動」を切り口に、クルマの走行データにさまざまな情報やサービスを掛け合わせ、世の中になかった新しい付加価値・サービスを生み出しているスマートドライブ。クルマとインターネットをつなぐ“コネクテッドカー”は全世界が注目する領域であり、スマートドライブも新しい移動体験やモビリティサービスの提供など、移動の未来を作ろうとしている。取締役の元垣内(もとがいと)広毅氏は、コネクテッドカーによるサービス創出を「まるで宝探しのようだ」と語る。具体的にどのような宝探しをしているのだろうか。話を聞いた。

ソーシャルグッドなテーマに自分の技術を使いたい

—— 元垣内さんは 2015 年、数千人規模のグリーから 2 名の会社だったスマートドライブに入社されています。規模感の違いから戸惑いはなかったでしょうか。

戸惑いはまったくありませんでした。むしろチャレンジできる期待感やワクワク感が圧倒的で、スマートドライブと出会って1ヶ月後にはジョインしましたね。

僕はもともと**「社会に出た時に使える強みが欲しい」と思い、大学と大学院で統計解析やデータ解析を専攻。**2001 年当時は、今のようにデータ解析に人気はなく、ビッグデータという言葉もありませんでした。それでも、この技術を使えるフィールドは多く汎用性が高いと思い、研究を続けていました。

その後、ビッグデータという言葉が世の中で言われるようになると「ようやく研究が役立つ時が来た」と思って、データ解析の技術を活用し始めたグリーに入社しました。

当時はソーシャルゲームの全盛期。莫大な数のユーザー行動を分析する日々を過ごしていましたね。ただ、3 年が経った頃に「もっとソーシャルグッドなビジネスをやりたい、リアルに社会貢献したい」と思うように。そこで出会ったのがスマートドライブでした。

社長の北川から聞いたのは、「クルマとインターネットをつなぎ、『走行ビッグデータ × データ解析』で移動を可視化して社会に役立つサービスを提供したい」という話。まさに僕が求めていた、ソーシャルグッドなテーマだったんです。

しかも、当時は社長とデザイナーの 2 人だけでしたが、すでにクルマに装着するデバイスやアプリケーションのプロトタイプを作っていて、実現させたい世界観を明確に持っていた。そのうえ、保険会社と「安全運転をしていると保険料が安くなる保険」を作ろうとしていたんです。

社会課題を解決したいという強烈な思いを持ち、素晴らしいアイデアと抜群の行動力で事業を興そうとしている社長に惹かれ、すぐにジョインを決めました。

世界中で手探り状態のコネクテッドカー。新しい価値を生む可能性のかたまり

—— まだサービスがない状態から、保険会社との提携が進んでいたのはすごいです。企業からはどういった期待を寄せられているのでしょうか。

現在は世界的に「これからはモビリティの時代だ」と言われ、自動運転とコネクテッド、シェアリング、EV などのキーワードが注目を集めているため、僕らもたくさんの企業から期待を寄せられています。

一方で、クルマがインターネットにつながったらどうなるのか、どんなサービスが生まれるのかは、今まさに世界中で手探り状態。だから僕らも日々宝探しをしている感覚なので、毎日がエキサイティングです。

一般的にコネクテッドカーは、音声認識や顔認識等によるスマートスピーカーのようなエンタメ機能、渋滞回避や自動運転などをイメージすると思います。将来的にはすべてのクルマと信号などをつないで、渋滞や事故をなくす、なんて構想も夢ではないでしょう。

スマートドライブも、渋滞や事故の削減などには取り組みますが、クルマに閉じない付加価値を生み出そうとしているんですね。走行データを解析することで、保険や金融、移動やリソース管理、業務効率化など、業界・ジャンルを問わずにさまざまな活用方法を模索中。

誰にどんな価値を提供できるのか、考えるだけでワクワクしています。

リアルタイムのニーズと、エビデンスを持ちたいニーズに対応

—— 具体的に、スマートドライブのデバイスを装着してコネクテッドカーにすることで、どのような付加価値を生んでいるのか、いくつか事例を教えてください。

課題やニーズが顕在化している企業の場合、「リアルタイムで取れるデータを業務に生かしたい」という相談もしくは、**「いつ誰がどこに行っているのかをエビデンスとして残したい」**という相談があります。

前者は、即時性を求めるケースが多くあります。たとえばある医薬品卸の会社から、営業スタッフのクルマにデバイスをつけたいという相談がありました。理由は、病院での緊急手術に必要な薬が足りないとき、その薬を持って移動している近くのスタッフにすぐに連絡して届けられる仕組みを持ちたいから。

今まではスタッフがその日にどの病院を訪問しているかは把握していても、リアルタイムでどこにいるのかは電話等で確認する以外に方法がありませんでした。でもそれを可視化することで、病院にも医薬品卸の会社にも win-win の状態を作れたのです。

この事例から派生して生み出した付加価値はいくつもあり、たとえば問い合わせから 25 分以内に現場に到着しないといけない警備会社も、誰がどこにいるかを可視化することで近くにいる人が駆けつけられるように。運転代行会社も依頼人の近くにいるドライバーへ瞬時に指示を出せるようになりました。

一方、エビデンスを残したい後者は、訪問介護や訪問医療など、訪問したことを記録として残したい事業者にニーズがあります。

ご家族が在宅している、もしくは訪問宅に備え付けの機器によって訪問を記録されているなど、明らかに訪問したことがわかる状況なら良いのですが、一人暮らしのお年寄り宅へ本当に訪問したかどうかを証明するエビデンスはどこにもなかったんです。

それを可視化してエビデンスを持つことで、事業者の信頼につながり、訪問宅のご家族にとっての安心材料にもなりました。

これから訪れる超高齢化社会にも、役立つサービス・仕組みを提供できる。まさにソーシャルグッドな仕事だと思っています。

テクノロジー × アイデア = 無限の可能性

—— クルマの走行データを活用すると、さまざまな領域で新しい価値となるのですね。

そうなんです。業務効率化をしたいという相談もよくあり、たとえば営業車にデバイスを取り付けて、移動の無駄を見つけていくことで残業時間の大幅削減と営業成績アップにつながった例もあります。このときは、企業と一緒に働き方改革ができたという面白さがありましたよ。

また、M&A などで営業車が増えてしまったことによる相談もあります。すべてのクルマを維持するにはコストがかかりますが、どの拠点にどれくらいの台数が必要なのかはデータを取って解析しないとわかりません。

でもクルマにデバイスを取り付けて、稼働しているクルマを可視化すれば、適切なリソース配分ができる。こうしたニーズは増えていて、タクシーや物流トラックだけでなく、クルマ社会の地方企業ではかなりの企業に付加価値を提供できると思っています。

そもそも、世の中にコネクテッドカーは少ないので、走行データを可視化すれば、その活用方法は無限にあります。地方自治体にとっても、どこにレンタカー会社もしくはシェアカーを置くべきか、タクシーはどこにどれくらい配置すべきかがわかるようになれば、観光客により快適に過ごしてもらう工夫ができる。

テクノロジーを使って、企業や社会の課題を解決する。アイデア次第でいくらでも価値を提供できると思っています。

目指すは、世界で活躍する「移動体の IoT センサープラットフォーム」

今はどうしても、「クルマのデータ分析」「クルマのサービス」といったイメージが強いのですが、「クルマの移動データ × センサー」などいろんな掛け合わせで付加価値を生みたいと思っています。

移動するもの全般といろんなセンサーがつながって、そのデータを解析したら価値あるサービスが作れるはず。移動体の IoT センサープラットフォームを目指したいです。

たとえば、移動している冷蔵車やコンテナの温度をリアルタイムで可視化すれば、常にマイナス5度をキープしていることがわかるようになりますし、車体の傾きや衝撃、揺れがわかるセンサーとつながれば、どれだけ慎重に運ばれてきたかもわかります。

振動センサーによって、どのクルマも振動している道路があれば、ピンポイントでの補修も可能。特に海外の場合、道路工事の予算が少ないケースが多いので、そういったニーズに対応できる可能性は大いにあるでしょう。

—— 海外展開も視野に入れていますか?

昨年秋に中国の深圳にオフィスを構えて、クルマが多くて渋滞問題が切実な東南アジアの市場調査を始めています。バイクもかなりの数が走っているので、その移動をデータ化することで、現地の人たちに付加価値を提供できるサービスを作っていきたいですね。

国内外でジャンルを問わず、走行データと何かを掛け合わせたら新しい付加価値は必ず生まれます。コネクテッドカーの領域は、世界中が期待し、真に付加価値のあるサービスを作り出せるかが勝負の世界。だからこそ、いろんなバックグランドを持つ人たちとアイデアを出し合いながら、宝探しを続けていきたいと思っています。

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