2050年、世界の食糧危機問題を見据えた挑戦。農業と農家に革命を起こす 株式会社ファームノート 高野 桂護 | 急成長企業を支援してきたマーケティング会社が厳選した急成長企業と出会える場所「LEAPLACE」 - LEAPLACE
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2050年、世界の食糧危機問題を見据えた挑戦。農業と農家に革命を起こす
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2050年、世界の食糧危機問題を見据えた挑戦。農業と農家に革命を起こす
株式会社ファームノート
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「世界の農業の頭脳を創る」を理念に掲げる、農業IoTソリューションカンパニーのファームノート。クラウドや人工知能、データ解析など最先端技術で酪農や畜産の生産性向上と効率化を実現させている。そんな、日本の畜産・酪農業界にイノベーションをもたらす同社で北海道セールスマネージャーを務めているのが高野桂護氏だ。高野氏は九州支社を立ち上げるなど着実に利用する農家を拡大させてきた。ファームノートによって農家に起きている変化や、つくりたい世界とは。お話を伺った。

2050年の世界の食糧危機問題を見据えた事業に共感

—— 高野さんがファームノートにジョインしたきっかけを教えてください。

もともと、CMSやクラウドのインテグレーション事業を展開しているグループ会社のスカイアークで働いていたので、代表の小林とはファームノートに入社する前からつながっていました。退職から数年が経ち、スタートアップのイベントで偶然小林と再会したときに聞いたのが「2050年の食糧危機問題を見据えて事業を展開する」というファームノートの壮大なビジョンでした。

日本は人口減少や高齢化により離農が進んでおり、世代交代がうまくいっている農家もありますが後継者がいない農家も少なくありません。一方で、世界で見ると人口が増加しているため、テクノロジーの力を使って農家を維持し、生産性を上げないと供給量が足りない未来がやってくるんですね。

短期的な成果ではなく長期的な視点で、世界の大きな課題となる食糧危機問題にアプローチするスケール感と、一次産業を変えるという大きなテーマに挑むことは、意義も価値もある。この事業を一緒に大きくして社会に貢献したいと強く思い、入社に至りました。



—— 入社後はどんな仕事に取り組んできたのでしょうか?

畜産・酪農農家の市場として大きいのは本社のある北海道で、次が九州です。それまで、問い合わせのあった九州の農家に出張で行くことはあっても、拠点は構えていなかったので九州支社の立ち上げを任されました。

ファームノートのソリューションは、スマホやタブレット、PCを使って、リアルタイムで牛の活動状況や健康状態を把握・共有し、そのデータを溜めて活用するというもの。ただ、これまで牛の個体情報を紙で管理していた農家さんが、スマホを使って牛を管理すること自体が革命です。だから、何度も足を運んで丁寧に説明する必要がありました。 全国には、畜産・酪農農家が約6万6000軒あり、そのうちの4000軒、牛の頭数でいうと約380万頭のうち10%以上がファームノートのソリューションを使っていただいています。利用者をいかに拡大させていくかが、これからの挑戦ですね。

見えていなかった課題を顕在化して解決。農家さんの生活も変える

—— ファームノートで営業をする面白さはどこにありますか?

農家さん自身が課題だと思っていなかった課題が可視化され、それを解決することで生産性や業務効率の向上につなげられることです。

たとえば、これまでは牛の状態を紙の台帳に記載して管理していたため、牧場スタッフに共有されにくいという課題がありました。それが、スマホでリアルタイムの管理・共有ができるようになると、それだけで生産性が大幅に上がるんです

また、生産性の向上の課題が顕在化していないケースも多いですが「家族との時間が増えた」「旅行中でもスマホで牛の状況がわかるから精神的な不安を軽減できた」など、農家さん自身の生活に変化が起きることで実感されることはよくありますね。経営を底上げするだけでなく、生活や精神面にも良い影響を与えられていることを実感できるのは嬉しいです。

さらに、こうした成功体験が口コミとして農家さんのネットワークで広がっているのも、大きなやりがいの一つ。もともと畜産・酪農農家になかった概念を説明するのは簡単なことではないのに、それでも利用者の方が体験を広めてくださっている事実には感慨深いものがあります。少しずつですが、業界にインパクトを与えられているのではないかと思っています。

—— あれば便利だけど無くてもいいサービスではなく、農家さんが本当に便利だと実感したからこそ、口コミにつながっているのですね。

ありがたいことに着実に浸透していますし、畜産業を少しずつ変えている実感も得られます。導入後の継続率は97%を超えており、農家さんからは「導入してよかった」「便利で助かっている」「生活が変わった」という声をたくさんいただいていますよ

もちろん、導入までのハードルは高いので泥臭い活動は必要なのですが、いずれ畜産・酪農農家にとってファームノートを当たり前の存在にして、2050年の食糧危機という大きな課題に僕らがすべきことを追求したいと思っています。

世界の農業の頭脳を創るために、利用者を増やしたい

—— 食糧危機に対してアプローチができている実感はありますか?

まだまだ目指す世界観には及んでいません。僕らのミッションは「生きる」をつなぐために「世界の農業の頭脳を創る」こと。頭脳を創るためにはもっと利用者を増やしてデータを蓄積する必要がありますし、そのデータをいかにして活用するかはもっと研究しないといけません。

世界中で誰もやっていないことに挑戦しているため、何ができるかはわかりませんが、それでも農業の新しい形を創造することに大きな意義を感じますね。

たとえば、これまでは北海道と九州の農家の比較や、それぞれの牧場での経営の良し悪しは判断できませんでした。でも利用者が増えてデータが集まれば、より良い経営をしている牧場をベンチマークすることも、経営改善も可能になります。

また、畜産・酪農農家を取り巻く関係者には、獣医師や爪を切る削蹄師、人工授精師などたくさんいます。そういったすべての関係者もリアルタイムで情報を共有できる世界をつくれたら、業界に与えるインパクトは大きいはず。まずは畜産・酪農農家の領域でそういった世界観を作り、世界の農業の頭脳に近づきたいですね。

—— たしかに、利用者が増えるといろんな可能性が出てきそうです。

その通りで、人や情報などをつなげていくことで、大きな変化を起こせると信じています。ファームノートのソリューションだけでなく、たとえばドローンやロボット、MRなどと連携して新たな価値を生み出せるかもしれないし、情報が共有されることで餌や牛を運ぶ物流の領域にも変化が起きるかもしれない。

最近は競合が増え始めているので、市場の盛り上がりを実感すると共に、いろんな可能性にワクワクしていますよ。

自信を持って大胆にチャレンジし、新しい世界を作りたい

—— 高野さんが仕事をする上で大切にしていることは何でしょうか?

当たり前のことですが、やりきることです。前職までは営業として自信を持って提案できないことも多々あったのですが、今は、自信を持って提案できるソリューションを扱っていることがすごく嬉しい食糧危機という大きな社会課題に対して、設定した目標を次々とやりきることで、新しい世界を見たいと思っています。

ファームノートはクラウドや人工知能、データ解析など最先端技術で酪農や畜産の生産性向上と効率化を実現させるテクノロジーの会社ですが、データサイエンティストだけでは牛の気持ちはわかりません。だから、社内には獣医師や研究者といったプロフェッショナルも在籍しているんです。

多様な職種の仲間が集まった組織ですが、全員がビジョン・ミッション・バリューでつながっているので目標がブレないのもファームノートの良さ。これからも多様な仲間たちと一緒に、自信を持って大胆なチャレンジをしながら、世界にインパクトを与える存在になりたいと思っています。

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