当社が提唱しているパーソナル人工知能「P.A.I.」とは、私たち自身の意思をデジタル化し、それをクラウド上に配置してあらゆるデジタル作業をそのクローンにさせることを目的としたAI(パーソナルAI)です。スマートデバイスが普及し、インターネットによる情報インフラが整った現在では、そのうえで稼働する細分化された膨大な数のアプリケーションを操る能力までを1人の人間が持ち続けることなど、もはや不可能と言えるでしょう。そうしたなか、“デジタル化された私”である「P.A.I.」であれば、私たち人間には不可能だった“24時間365日ネットワーク世界を駆け巡る”こともできるのです。そしてこれによって私たち人間の可能性は有限なものから複製可能なものへと変化していく──それが「P.A.I.」が目指す世界なのです。
「企業においてパーソナルAIに何をどこまでやらせたいのか?」というのはよく聞かれる問いですが、具体的には面談における採用・不採用の判断などまで任せられるようにしたいと考えています。私の考えでは、正しいかどうかの判断というのは個々の経験に基づくものであり、それはその人のそれまでの人生の内容に大きく左右されるはずです。つまり、絶対的に正しいかどうかではなく、あくまで“わたし的には正しい”のだと。そしてそうした個々の正しさの集合体こそが企業である、というのが我々の信じるところです。言い換えれば、人生の中での選択を数多く組み合わせることで、より効率を上げていこうという、そのベースとなるのがパーソナルAIなのです。
そうした我々のAIに対するアプローチと対極にあるのがGoogleかもしれません。彼らは神様のようなAIをつくろうとしているように思えます。しかし、そうしたAIが導き出した答えが、“人生の中でも”常にベストなのかと言うと疑問が残ります。自分自身が下した判断というのは、間違えも含めて多様性に飛んでいるからこそ、より「人間らしい」と言えるのではないでしょうか。そしてそうした人間らしさ、つまり個性の集合体こそが企業であるはずです。そんな人間の集まりである企業をデジタルテクノロジーでも構築していくことこそ、我々独自のアプローチであると自負しております。
そんな我々が本気で実現しようとしている世界に共感できる方と出会えることを楽しみにしております。