CHROが設立された背景
ケップルの特徴として挙げられるのが、組織の規模感に比して非常に幅広い領域で事業展開している点です。IT領域ではエンジニアやデザイナー、カスタマーサクセスといった人材が、ファイナンス領域ではベンチャーキャピタリストが、ファンド運営支援では会計士やコンサルタントといった多種多様な人材が活躍しています。いっぽうでスタートアップらしく、事業や組織は非常に早く変化、成長していきます。これらの事業やメンバーの連携性を高めて組織として有効に機能させるためには、経営陣の考える経営戦略、事業戦略をいち早くキャッチアップし、その実現に向けた人事戦略から具体的な施策の立案から実行までをカバーできる存在が必要でした。これまでは人事責任者としてそういった領域をカバーしてきましたが、これからはもう一歩踏み込むかたちで経営会議に参画し、経営戦略の実現に向けてHRという立場から人事戦略を推進していきたいと考えています。
スタートアップで働く魅力
①一人ひとりに任せられる領域の広さ ②未来を創っていく実感 という2つにあるかと感じています。スタートアップに入社すると、守備範囲が決められていないことに驚く方も多いかと思います。事業の成長に向けて必要とされていることを自身で洗い出し、その解決に向けた施策について情報収集し、自らが手を動かしながら、スピード感を持って実現させていく。そうやって自身が考えた施策がカタチになり、事業を通じて社会に影響を与えていく実感を強く持てるのが非常に面白いところですよね。
どんな人材がケップルにマッチするか
何よりもまず、スタートアップマーケット(成長産業)の支援を通じて、社会により多くのイノベーションを起こしていこうとしているケップルのVision・Missionに共感をし、情熱をもってその実現に取り組んでいただけるかという点です。世の中にはさまざまなビジネスがありますが、自身の人生を投じるのであればこれからの社会をより良い世界に導いていきたい観点から仕事にチャレンジしていただける方がマッチしていると思います。
続いて、「問いを立てる力」を備えているかという点です。他者から何かを与えられるのを待つのではなく、自ら解決すべき課題を見つけ出し、その解決に向けて主体的に動いていけるかという点です。目の前で起きている事象について常に疑問を持ち、よりよい環境を生み出していくことはできないのか?ということについて貪欲に挑戦していただける方がフィットしやすいです。
最後にチームで対話をしながら一つのものを創りあげることに楽しみ、喜びを感じられる方です。それぞれが持っている考えを尊重しつつ、社会、顧客に価値あるものを共創的に産み出していこうというのが、ケップルのカルチャーの大きな特徴です。社内でも『Co-Motivate』というキーワードを打ち出しながら、部署を越えたコミュニケーション機会創出など相互に動機付けし合う活動も推進しています。
HRから見た組織課題
事業の幅広さ、所属するメンバーのバックグラウンドの多様さなどから、「One Product, One Issue, One Culture」というスタートアップにおける人事戦略の定石が打ちにくい部分があります。一般的にスタートアップは一つのプロダクトで成長を目指すことが多いため、入社される職種やキャラクターを一つにまとめやすいのではないかと。一方でケップルという組織では、エンジニアなどが集まるSaaSスタートアップのような文化圏、高い専門性を備えた人材が集まるプロフェッショナルファームのような文化圏、キャピタリストが集まるベンチャーキャピタルのような文化圏といったかたちで、一つの会社内に複数の会社組織を有しているような状況です。採用、評価、人材開発、労務管理といったさまざまなHR領域において、どこに統一性を持たせるのか?どこから独自性を持った制度設計をするべきなのか?といった点については悩ましいですね。
HRとしてケップルで働く面白さ
これからHRとして成長を目指していきたいという方にとっては、非常に学びの大きい組織だとも言えます。通常であれば何社も転職を繰り返さないと分からないような、さまざまな業界、職種の人事課題に一つの会社に居ながらにして向き合っていくことができます。HR領域における学びを続けるとともに、変化の激しいスタートアップ領域についても深い理解が必要となるため、ハードワークになることが予想されますが、HRとしてスピード感を持って成長していき、ゆくゆくは事業理解を踏まえたうえで人事領域をトータルデザインしていくHRBP、戦略人事を目指したいという方にとっては魅力的なフィールドになるかと思います。
これからのケップル
私が一人目の人事として入社してから3年半が経ちました。転職当時にケップルという会社へ転職することをまわりの皆さんに報告した時には、「おめでとう!頑張ってね!」という声とともに、「で、何やっている会社なの?」という反応も多かったです(苦笑)
ここ最近ではアライアンスされている企業とのさまざまな取り組みや日経新聞のスタートアップ関連記事などで露出の機会も増えてきたことから、「この前、あの記事でケップル見ましたよ!」という嬉しい声もいただけるようになってきています。まずはここまでの3年半において事業と組織の成長に尽力をしてきてくれたメンバー一人ひとりに感謝をしています。とはいえ、我々が目指している未来はもちろんここにとどまるわけではないです。
これから事業と組織の成長を成し遂げていくうえで、CHROとして大切にしたいポリシーは3つです。経営という視点からは代表の神先をはじめとした各CXOと連携を進めながら、Vision・Missionの実現に向けた人事戦略、施策に対してスピード感を持って取り組んでいくこと。続いて、メンバーという視点からは一人ひとりの状況に合わせて多様性のある働きかたを提供するとともに、成長の場、自己実現の場としての会社組織を実現していくこと。そして最後に、弊社に対して成長資金を投資いただいている投資家、さらには自身のキャリアを弊社に投資してくれているメンバーに対して、人材という重要な経営資源を預かっていることを踏まえ、その戦略的な活用に向けて説明責任を果たしていける体制を作っていくこと。以上の3つです。
プライベートの話で恐縮ですが、2歳になったばかりの娘がいます。彼女が20年後に就職活動をする際に、日本に、そして世界に彼女がこの会社で働きたい!とワクワクできるようなスタートップを数多く産み出していく。そんなスタートアップたちが世界をより便利に、より安全に、より楽しく、より環境に良いかたちで発展させていく。そんなことに寄与していけるような事業づくり、組織づくりにHRという立場から邁進していきたいと考えています。